ハプスブルク家に好まれたバラのモチーフ。 一輪のバラは愛のシンボルとして貴族から好まれたモチーフで、 ウィーンのバラシリーズをはじめ、ヘレンドにはバラモチーフのシリーズが多く存在します。 一輪のバラとチューリップ・小花を束ねたデザインは愛らしさを醸し出します。
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ヘレンドはヨーロッパ貴族の間で昔から愛用されているブランド。 ヴィクトリア女王、ハプスブルグ家、ロスチャイルド家など、ヨーロッパの名門と呼ばれる上流階級の間でも親しまれる理由は世界最高峰の手描きの絵付けです。
1826年、ハンガリーの首都ブダペストから車で2時間程の場所にあるヘレンド村で、ヴィンツェンツ・シュティングル(Vinzenz Stingl)がヘレンドを創業。
焼き物の盛んだった地帯であり、16世紀からマヨルカ陶器の産地としても知られ、シュティングルは質の高い磁器生産に向けて試行錯誤し、フィッシェル・モールが1839年に引き継ぎ、発展させ、現在の基礎を築きました。
その頃ヘレンドの顧客はハンガリーの貴族が主でしたが、1842年にはヘレンド磁器製造所として帝室、王室御用達と承認され、皇帝フランツ・ヨーゼフの庇護を受けます。 その後、世界万国博覧会の舞台でヘレンドの名声が世に轟く事となりました。
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